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2025年10月27日
社長、お疲れ様です。今、AutoCADの基本操作を復習しているんですが、コマンドが多すぎて何から完璧に覚えればいいか…。
お、デジ美さん、頑張ってるね。でも、全部を一気に覚えようとするのは非効率だよ。面倒くさいでしょ、そういうの。
た、確かに…。
AutoCADはね、突き詰めると「描く」と「編集する」の繰り返し。だから、初心者が最初に覚えるべきなのは、その核になるコマンドだけ。今回は僕が「これだけは絶対にマスターしろ」っていう10個のコマンドを伝授するよ。
ぜひお願いします!
1章: まずは「描く」!基本作図コマンド3選
まずは図形を描けないと始まらない。基本中の基本。でも、ここにも効率化のヒントがあるんだ。
「描く」というと…「線分(LINE)」ですね!これは使えます!
うん、一番使うコマンドだね。ショートカットの「L」で起動。2点をクリックして線を引く。単純だけど、これが図面の骨格になる。
はい!私も「L」と「Enter」は多用してます!
その調子。じゃあ、これはどう?「円(CIRCLE)」。ショートカットは「C」。
円も使います!中心点を決めて、半径を指定する感じで…。
そう。でもデジ美さん、円を描くとき、いつも半径や直径を指定してない?
え?はい。だいたい半径指定(R)か直径指定(D)です。
もっと楽な方法があるよ。例えば「2点(2P)」や「3点(3P)」。既存の線分や図形にピッタリ接する円を描きたいとき、半径を入力するより、その点をクリックする方が圧倒的に早い。複数の部材に接する円を描くときなんかは必須だね。
なるほど…!いつも半径を入力してました…!
そしてもう一つ。「ポリライン(POLYLINE)」。ショートカットは「PL」。
あまり使ってないかもです…。線分と何が違うんですか?
最大の違いは「線分がバラバラ」なのに対して「ポリラインは一つのオブジェクト」になること。これが後々の編集でめちゃくちゃ効いてくる。
一つのオブジェクト、ですか?
例えば、主桁の断面を描くとする。フランジやウェブを全部「線分」で描くと、後で移動したりオフセット(後述)するとき、全部の線を選択しないといけない。面倒くさいでしょ。
ああ!確かに!
「ポリライン」で描いておけば、1クリックで断面全体を選択できる。面積を計算するのも一発。僕は、繋がっている線は基本的にポリラインで描くね。楽だから。
2章: 「編集」で効率化!基本編集コマンド4選
「描く」だけで、もう奥が深いですね…。
ここからが本番。描いた図形をどう「編集」するかで、作業効率が劇的に変わる。まずは「移動(MOVE)」。ショートカットは「M」。
これは分かります!図形を選んで、基点を決めて、移動先にクリック!
OK。じゃあ「複写(COPY)」。ショートカットは「CO」または「CP」。
はい、移動と似てますが、元の図形が残るんですよね。これもよく使います。
そう。この2つはセットだね。ポイントは「基点」の取り方。適当にクリックするんじゃなくて、「オブジェクトスナップ」をしっかり使って、例えば「部材の角」とか「円の中心」とか、意味のある点を基点にすること。これで正確な配置が一瞬で決まる。
オブジェクトスナップ…F3キーで切り替えるやつですね。意識してみます!
次。「回転(ROTATE)」。ショートカットは「RO」。
図形を回すやつですね!これも基点を決めて、角度を入力するか、マウスで調整するか…。
うん、基本はバッチリだね。でも、角度わからないとき、マウスで適当に回してない?「参照(R)」オプションを使ってる?
さんしょう…?
例えば、斜めになっている線分Aを、線分Bと平行になるように回転させたい時。Aの角度もBの角度も分からなかったら、どうする?
えーっと…角度を調べて、引き算して…?
大変だよね、それ!そこで「参照(R)」の出番なんだけど、「回転」コマンドを実行して、図形を選んで、基点をクリックした後、「R(参照)」オプションを選ぶ。そして「現在の角度」として線分Aの2点をクリックし、次に「新しい角度」として「P(点)」オプションを選んで線分Bの2点をクリックする。これで計算ゼロでピッタリ合う。
ひええ…そんな機能が…。
基本コマンドなんだけど、実行後のオプションを見ていくと色々奥深いのよ。まあ今回の主旨から外れそうなのでこの辺にしておこう。
最後に「オフセット(OFFSET)」。ショートカットは「O」。これも重要。
あ、これは好きです!線を平行に複写できますよね。
そう。例えば、板の厚みを表現するときとか、鉄筋の厚みとか、一定の距離で線を作るときによく利用するね。ここでさっきの「ポリライン」が効いてくる。バラバラの線分だと1本ずつオフセットしないといけないけど、ポリラインなら一発で外側(または内側)にオフセットできる。
だからポリラインが重要なんですね!繋がりました!
3章: 図面を仕上げる!応用編集コマンド3選
さあ、ラストスパート。描いて、配置したら、最後は「調整」だね。まずは「トリム(TRIM)」。ショートカットは「TR」。
はみ出た線を切るやつですね!これは本当に多用します。
デジ美さん、トリムの時、どうやってる?まず「ここまで切る」っていう基準線を全部選んで、Enterキーを押して、それから消したい線を選んでない?
え?はい、その手順で習いました。
それ、古い(笑)。最近のAutoCADはもっと楽になってる。
ええっ!?
「TR」コマンドを実行したら、何も選択せずにいきなりEnterキー(またはスペースキー)を押してみて。
(エア操作中…)はい、押しました。
その状態が「クイックモード」っていう、全ての図形が基準線になるモード。あとは、いらない部分をクリックするだけで、一番近い交差点で切れていく。
……社長。私、今までなんて無駄な時間を…。
楽でしょ?(笑) 複雑なカットをする場合は線を選ぶこともあるけど、単純な場合はクイックモードでやってみて。
次は「ストレッチ(STRETCH)」。ショートカットは「S」。
ストレッチ…名前は聞きますが、難しくて…。図形がグニャってなっちゃうんです。
あー、最初の頃は難しいよね。ストレッチは「選択方法」が全てだからね。これは絶対に「交差選択(右から左にドラッグする緑色の枠)」で、しかも「動かしたい端点だけ」を囲むのがルール。
動かしたい端点だけ…?
例えば、長さ500mmの部材を600mmに伸ばしたい時。図形全体を囲んだら、それは「移動」になっちゃう。そうじゃなくて、伸ばしたい側の端点だけを「交差選択」で囲むんだ。そうしてEnterを押して、基点を取って伸ばせば、選ばれた端点だけが動いて、図形が伸縮する。
なるほど!「交差選択」で「端点だけ」ですね!
「交差選択」に慣れてきたら、次は「投げ縄選択+交差選択」でかなり複雑な選択も出来るようになるので、早くストレッチはマスターしてね。
最後!「反転(MIRROR)」。ショートカットは「MI」。
左右対称の図形を作るときに使う…んですよね?
その通り。例えば、構造物の左半分だけを描く。あとは「反転」コマンドで、中心線を基準にコピーすれば、右半分は描かなくていい。
わ!それも効率的ですね!
コマンド実行後、「元のオブジェクトを削除しますか?」って聞かれるから、「いいえ(N)」を選べば複写になるし、「はい(Y)」を選べば元の図形が消えて反転移動になる。これも覚えておくと便利。
まとめ: 10個のコマンドが全ての基本
社長、ありがとうございます!たった10個ですけど、知らないオプションやコツばっかりでした…。
でしょ?AutoCADには何百個もコマンドがあるけど、ぶっちゃけ、この10個を完璧に使いこなせれば、大抵の2D図面は描けるんだよ。
線分、円、ポリラインで「描き」、移動、複写、回転、オフセットで「配置・変形」し、トリム、ストレッチ、反転で「調整」する…。
そういうこと。大事なのは、一つ一つのコマンドを覚えることじゃなくて、この10個を「どう組み合わせて楽をするか」を考えること。面倒くさがり精神が、CADオペレーターを成長させるんだよ。
面倒くさがり精神…!はい、私も「楽」するために、この10個をマスターします!
